専門家としてお線香を手作りする、贅沢な時間。

茶香房ひより

2020年05月17日 20:53

「お香の調合を専門的に学ぶことができる」。

このことを知ったのはもう9年も前のこと。

何もわからないまま飛び込んだ、「香司」の道。


「香り繋がり」ということで、

当時も今もその扉をたたく人には

アロマテラピーやハーブに関わってる人多いですけどね。

茶道など芸道事に関わってる方も多いです。

でも、実際その世界に入ってみると、

アロマテラピーやハーブとは

全く異なる、日本の伝統としての「香」。

仏教や日本の歴史、その概論、

文学とのかかわりや古文書に頭悩ませたり。

香原料の専門知識は当たり前。

そしてお香調合の実技講座。

泣きながら勉強しましたっけ。


今ではその「香司」を養成できる

「薫物屋香楽認定教授香司」にまでなっちゃいましたけどね。

(ちなみに全国でもそんなにいないし、

           岐阜県では私だけです)

まぁ~ここ飛騨では

お香のことちゃんと学びたい!って人はいないので、

もっぱら体験としての、ワンデー講座しかしてませんけどね。

それと、

天然のお香原料のみで

香製品を自ら作り出せるという

なんとも贅沢な時間を過ごせるということでしょうか。




もう夏ですから、

タニ沈香と龍脳を贅沢に使って

凛として涼し気なお線香を作りましょうか。



香原料って適当に混ぜてるわけじゃないんです。

線香って燃やしますからね、

香原料もちゃんと燃やして香りを確認します。



香原料の配合比は

同じものを使っていても

線香や練香、匂い袋、

それぞれ異なりますからね、

それらの知識を硬い頭に叩き込んで

自然と手が動くようになるまでは

相当な時間がかかるもの。

「香司の資格取った~!」なんて

ただ喜べるものではないんです。

そこからが修行でしょうね、たぶん。






ずべて混ぜ上がった後も、燃やして確認します。

香原料だけ混ぜ合わせても固まりませんから

必ず固めるものが必要なわけで、

昔から「椨粉」を使い、形作ります。

椨粉も貴重な香原料。

最近のお線香は何を使って固めてるか表記ありません。

     だって雑貨だもん。

     表記義務ないもんね。

  製造元に聞いたって教えてくれんもんね。

  だって教える義務ないもん、雑貨だから。



お線香で気分悪くなるとか、喘息出るとか、

体調悪くなる人の話しよく聞きます。

だから「お香は大っ嫌い」「線香大嫌い」ってね。


でもね、

本物のお香原料のみで作るお線香は

香りもとても優しいし、

煙臭いなんてこともないわけです。
(もちろんちゃんと勉強せんならんけどね)




そして、乳鉢の材料を練り練りしたら

スティック状の

いわゆるお線香の形にしていくわけなんです。




あとは十分乾燥させますよ。


そうそう、

赤とか黄色とか紫とか。

最近のお線香は色がついてるのがほとんどですが

あれは合成色素です。

お香原料は「草根木皮」。

どんなに混ぜ合わせても

カラフルな色付きにはなりませんからね。

あしからず。


す~っと涼やかな、

仄かに香る天然香原料のお線香。

お香製品を自分で作れるってことは

じつはとても贅沢なことなんやろな。

こういうことを学べたことは

最高の財産やと思ってます。

(そうはいってもまだまだ修行中ですけどね)


この線香、

限定で販売する、かもね。



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