空薫(そらだき)を愉しむ。香の愉しみ方を知る。

茶香房ひより

2020年09月29日 13:18

お香のかおりを愉しむ。

多くの方はお線香を焚くことだとお思いでしょうが、

お香にはいろんな種類があるもので、

今回は「空薫」です。

「そらくん」じゃありませんよ!

「そらだき」と読みます。




お線香は火をつけて燃やすもの。

煙も出ますからね、

モノによってはいい香りにならないものもあるわけで。


「空薫」は温めて使います。

だから煙も出ないし、

仄かな優しい香りを楽しむことができます。


まずは灰に空気を含ませて。



聞香用のものと共用するのは避けましょう。


炭に火をつけます。

しっかり炭がおこるまで時間かかりますが

それもまた「よきかな~」ってことで。







灰が温まったら

練香という、丸薬状のお香を乗せます。

今日使うのは「菊花(きっか)」。

秋に使うお香で、

六種の薫物のひとつです。

ウサギのウ◯チじゃ~ないですよ。



炭のすぐそばに置くと

燃えちやうから気をつけてね。



ゆっくり、ゆっくり

空間に香りが満ちてきます。

決して強い香りではありません。


空薫に使うお香としては

先ほど紹介した丸薬状の「練香」。



先ほども書きましたが

「六種の薫物」が有名です。

また練香は茶道を嗜んでる方々であれば

冬の茶席の香としてお馴染みのはず、です。


天然のお香原料だけで作られる練香ですが、

最近では「ちょっとね・・・」というものも出回っており

化学物質過敏症の私としては市販のものは使いません。

まっ、自分で作れるからね。

その方が安心、安心、です。


それからもひとつ。

こちらのお香も空薫で使います。



「印香」といいます。

干菓子のような硬いお香。

こちらも空薫に使うものです。


最近「印香」という名の

燃やすお香が出回っていますが、

燃やすってことは「線香」を型抜きしただけのもの。

そりゃ~燃やして使うことになるでしょね。

本来の「印香」は

そもそも作る材料が異なりますから、

燃やすことはせず、

温めて香りを愉しむお香なのです。




まぁ、こういう本格的なお香を愉しむ人が

いったいどんだけいるのやら…。

あんまり関心持ってもらえないと思ってますがね。


そうそう、

源氏物語に描写されてるさまざまなお香のシーンは

線香のことじゃないですよ~。

そうそう、こっち。

空薫のことなんです。

知ってました~?













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