急須を育てる、ということ。
茶香房ひよりは日本茶専門店。
茶葉は静岡産の希少品種茶を、
急須は常滑焼の平型急須を専門に扱っています。
現在は喫茶店、日本茶カフェのようなメニュー構成ではなく、
有料テイスティングとして、
ミニ講座形式の呈茶をメインに行っています。
もちろん使用するのは平型急須。
もう10年近く使ってるものから、
使用期間が短いものもありますけどね。
実際に平型急須でどのように淹れるのか、
目の前で見ていただきながら
日本茶のこと、道具や淹れ方のことなど
お話しさせていただいてます。
平型急須、とても価格高い急須です。
「そんな高い急須、使わんわ~!」
まぁ~そうおっしゃらずに…。
価格の高い急須だからこその
楽しみというのもありまして。
『急須を育てる』ということです。
使っているとだんだん色合いの変化が起こるのです。
この2つの急須、同じ時期のものです。
左手前のものは5年近く使用してる窯変。
そして右奥は未使用のもの。
使い込むことにより色合いに深みが増してきます。
こちら5年以上使用のもの。
こちら未使用のもの。
「だから何?」って云われそうですが。
日本茶を美味しく淹れるためには
やはり良質な道具って必要なのです。
「だって割れるじゃん!」
そうおっしゃる方いらっしゃいます。
自分が気に入ったものは丁寧に使うものです。
粗雑に使おうなんて思わない。
その気持ちがお茶の香味にも影響する。
丁寧に、長く使うからこその楽しみ。
『急須を育てる』。
長く使えることって
よく考えればとてもエコなわけです。
そして役目が終われば自然に還る。
なんとも理にかなったことなんですよね。
お気に入りの道具でお茶の時間を愉しむ。
なんとも贅沢な時の使い方なわけです。