日本茶のシングルオリジンって、なに?
昨夜のNHKマル得マガジン「魅惑の日本茶」
第三回は、「品種別に楽しむ煎茶」と題して、
オスカルさんが
香駿、山峡 、静ー7132をご紹介。
シングルオリジンって、そもそもなに?
聞いたことない方がほとんどだと思います。
通常販売されている日本茶は、
産地や品種など、特徴の異なる茶葉(荒茶)をブレンドします。
茶を生産している茶農家は「荒茶」をつくります。
製茶問屋は味の均一化と価格の安定のため
仕入れた荒茶を合組し、茎や粉、異物を取り除き
さらに乾燥度を高めるために「火入れ」を行ないます。
これが普段私たちがよく目にする日本茶です。
それに対し、シングルオリジンは合組をおこないません。
特定の茶園で摘み取ってつくられた荒茶をブレンドせず、
製茶問屋によって仕上げられたものです。
年間の生産量も極めて少なく、
取り扱うところも限られています。
品種や生産地の特徴が反映されるため
ブレンド茶にはない、それぞれの個性を楽しむことができます。
ワインを楽しむように、というとわかりやすいでしょうか。
香駿は特徴的な香味をもちます。
番組では「ハーブのような」と表現されていました。
日本で一番普及した「やぶきた」とは異なる、香味。
駿河の国(静岡)で育成され、香りに特徴があることで
「香駿」と命名され、20世紀の終わり頃に登録された
比較的新しい品種です。
濃厚なうま味が特徴の、山峡。
玉露かと思うほどのうま味を持つため
天然玉露と呼ばれることもあります。
「やぶきた」の自然交雑実生選抜。
ちょっとメロンのような特徴的な香りもあり、
ひよりでは「水出し茶」や「氷水出し」にして呈茶します。
召し上がられたお客様は一様に無言となり、
その後感動される品種です。
静-7132。 ん?なんだ?
そうなんです、系統番号しかない品種なのですが
この品種は何といっても
桜餅を思わせるような香りが特徴です。
もちろん香料は使っていません。
この品種が持つ、特徴的な香りなのです。
豊かなうま味も持ち合わせており
水出し茶にしてもとても美味しい。
春を思わせる、素敵な品種なのです。
ひよりでは今回紹介された品種茶のほか
テキストにも掲載されている、
やぶきた、蒼風、かなやみどり、さやまかおりも
お取り扱いしています。
生産量も限られている、これらのシングルオリジン茶。
希少なものゆえ、安いものではありません。
そんな希少品種の煎茶、
あなたも味わってみませんか。
日本茶の概念が覆ること、間違いなしです。