源氏物語と香(こう)の世界
気が付いたらもう20日もブログをupさせていませんでした。
さぁ、なに書こう…
ってことで、
先日知り合いの方から譲っていただいた
瀬戸内寂聴訳の「源氏物語全巻」です。
田辺聖子訳、橋本治訳のものは読みましたがね。
源氏物語の中には
さまざまな香の描写があります。
…
あるんです…。
知ってましたか?
でも、多くの人はこっちのお香だと思ってます。
はい、お線香です。
でも、
源氏や紫の上、その他多くの登場人物たちが嗜んでいるのは
お線香ではありません。
空薫(そらだき)物のことです。
? って
いま思ってます?
えっと…
練香など温めて使うお香のことです。
こんな感じで
衣に香りを移したりしてたんです。
若紫が伏籠の中に入れて飼っていたスズメを
遊び友達の童女「いぬき」が逃がしたというお話しは
第五帖 『若紫』にありますね。
お香の歴史って、
普通考えたことないと思います。
それに、
ちょっとお香のことかじったことある人だと
すぐに「香道」のことでしょ!
となるわけで。
沈香の香り、最高ですよね。
でも多くの人は本当の香りご存知ないです。
残念ですが…。
香道は日本の3大芸道のひとつですが
その歴史はじつは長くありません。
もともとは武家が台頭してきた鎌倉、室町時代に
その基礎が生まれます。
源氏物語ってそれより前の、平安時代のお話しです。
じゃあお香っていつから日本で始まったのか?
はい、仏教の伝来とともに伝わりました。
公家の雅なお香の世界は沈香のみを楽しむのではなく、
「調合」を愉しみました。
その描写で有名なのは 五十四帖 『梅枝』です。
うめえだじゃありませんよ!
「うめがえ」と読みます。
この帖には薫物の調合と薫物合せのことが出てきます。
どんな香りなのか?
当時の香りを100%再現することは不可能ですが
公家たちがどのような調合をしていたのかは
きちんと資料が残されており、
当時の香りをほぼ(まぁまぁ)再現することが可能です。
さぁ、これから夏にかけての薫物は
荷葉となります。
どんな香りかは…。
もちろん、ひよりで調合していただくこと
できるんです。