お香のかおりと梅の花。

2020年03月09日
宮川の河川敷の梅の花。

ちょうど見頃となりました。

お香のかおりと梅の花。

そんなに本数はないのですが、

雨に濡れ、急激な冷え込みにも耐えて

温かみのある、優しく甘い香りが満ちています。

お香のかおりと梅の花。

梅の香りの主成分は種類や花の色でも異なるようで、

一概には言えませんが

白梅の場合

エステル類の「酢酸ベンジル」が多いとのこと。

あと、フェノール類の「オイゲノール」が多いものや

そしてピンクから紅色に近いものでは

芳香族アルデヒド類の「ベンズアルデヒド」だそうです。

その他

芳香族アルコールの類などが確認されているようです。

その成分香りから連想するのは

アロマテラピーの精油でいうとイランイランやジャスミン、

そしてベンゾイン、

クローブ、シナモン(樹皮、葉)などの香りに近いということが

わかります。





お香の調合には「六種の薫物」というのがあります。

    ろくしゅのくんもの?

じゃないですよ。

「むくさのたきもの」と読みます。

薫物とは空薫物のことで

線香のことではなく、温めて使うお香、

即ち、練香を用いることです。

お香のかおりと梅の花。

正露丸のような丸薬状のお香。

茶席の香として冬に用いられますから

茶道嗜む方はご存知かも。

といっても、

ほとんどの方が販売されてるものを購入してお使いのようで、

価格が安価な「梅ヶ香」を使ってらっしゃる人が多いかも。

梅ヶ香はなんの香りなのか?

これは梅の花の香りではないですからね。

お間違えなく。



話しを戻して…

お香調合では、もちろん「練香」の調合も行ないます。

その基本になるのが先ほどの「六種の薫物」。

そのひとつ、

この時期の春の香りとして調合するのが「梅花」です。

平安貴族たちの嗜みの香であり、

「梅の香に似たり」と称される、春の香。

源氏物語の「梅枝」で、

光源氏の一人娘である明石姫君のために

紫の上が調合したのが「梅花」。

沈香を主とし、貝香、甘松、白檀、丁子などを

調合して丸薬状にします。


香を司る「香司」ですからね、一応。

梅の香りをちゃんとわかっていないといけないわけで

梅の花を見かけるたびに

くんくん、くんくん、してしまいます。

香りの表現はとても難しいもの。

主観的なものであり、

数値化したりすることができないため

言葉で説明するのは本当に難しい。

ましてや

その香りを知らずして

調合をするなんてことは許されないことです。

春の、この時期だけの特別な香りだからこそ、

ちゃんと観察することしないとね。



お香のかおりと梅の花。

もちろん、練香の調合体験もできますよ。

気になる方はぜひ。









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