お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。

2020年03月14日
お香調合に用いる香原料、甘松。

甘い松と書いて「かんしょう」と読みます。

お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。

マツではありません。

オミナエシ科(APG体系ではスイカズラ科)の植物で

ヒマラヤ山系、中国山岳地帯原産の植物。

根や根茎を使います。

お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。

これは刻み状のもの。
お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。


お香の調合にはとても大切な香原料のひとつ。

匂い袋はもちろん、

練香や塗香、線香など

配合比は様々ですがなくてはならない香原料です。

そしてこの甘松はアロマテラピーの精油では

「スパイクナード」のこと。

聖書に登場するナルドの香油としてもとても有名な植物です。

マグダラのアリアがイエスの足にナルドの香油を塗り

自分の髪でぬぐうのに使ったことで知られています。

聖書のなかに登場しているということは

ヨーロッパにおいては古くから知られた植物。

日本においても古くから使われています。



主原料にはなりませんが

その独特な香りは何とも病みつきになる香り。

ものすごく嫌う方もありますが

「なんかクセになるわ~」といって

クンクンする方も多い原料。

もちろん精油もいい匂いではありませんが

やはりクセになる香りです。

精神・神経系に働きかける精油として

芳香を目的として使用します。
(でも、価格はそんなに安くないです)



この香りをどう表現するか?

植物の匂い、というより動物のニオイを連想させます。

そう、ワンコの肉球のニオイ。

嗅いだことあります?

ワンコでなくても猫ちゃんとか。

あとは…

え~っと、そうですね、

ずっと、ずっと使ってて、

何年も洗ってないタオルケットのニオイ、

なんてどうでしょう(^^;)

何となく想像できるのではないでしょうか。

最初は使うのちょっとためらうのですが

お香調合を学んでいると

この「甘松」をかっつり使うようになってきて、

更にはそれでは物足りなくなり…



その結果たどり着く香原料が、

こちら!

お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。

こちらは「吉草香」と申します。

読み方は「きっそうこう」ですね。

こちらのニオイは

それはそれは強烈な酸味の強いニオイ

というか臭いです、ハッキリ言って。

う~ん、💩のニオイに近いかも。

化学に詳しい方ならば

この香原料の名前を聞いて

「そうだよな~クサいよね~」と思えるというもの。

そう、カルボン酸のひとつである「吉草酸」だもんね~と

納得していただけるのではと思います。

こちらの香原料も

アロマテラピーの精油として存在しており、

「バレリアン」と申します。

和名は「セイヨウカノコソウ」

やはりオミナエシ科(APG体系ではスイカズラ科)の植物です。

お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。

そのニオイは香原料の吉草よりもとてもマイルド。

精油の芳香成分類はエステル類が多いですからね。

こちらもスパイクナード同様

精神・神経系に働きかける優れた精油のひとつ。

ただしこちらの精油も価格そんなに安くないですから

どうしても必要なの時の

これじゃないとという精油、ということになりますよね。


お香原料にしても、精油にしても、

とても大切な芳香植物のお話しでした。




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