手作りラベンダー線香は紫色にはならんのです。

2024年06月26日
ラベンダーが咲き誇る季節。

もう終わり頃に近いかも。

そんな季節ということで、

ひよりで人気の薫衣草香

ようするにラベンダーのお線香ですね、

今日もせっせと作るわけです



なにせ手作りですから

とても時間がかかります。

この季節は暖かいがゆえに

まっすぐに乾燥させるの大変なのです。



でも、ちゃんとまっすぐに作りますけどね。


市販されてるラベンダーの線香って

たいてい紫色してますかね。

ラベンダーの花が紫だからですかね、たぶん。

イメージってやつですよね。



天然のお香原料だけで作るお線香の場合

原料をどんなに混ぜても紫色にはなりません。

ということは…

ということです。

着色してるんですね、市販のものは。

紫に限らず、ピンクとか緑とか

いろんな華やかな色を呈したお線香販売されてますが

イメージです、はい。

ということは、合成着色料も燃えますからね、当然。

燃やせば何かしらの化学反応が起こるわけです。

化学物質過敏症や喘息などの疾患抱えるものにとって、

香りだけでなく、これらの合成色素が燃えることも

本当にツラい症状を引き起こすわけです。


お線香の香り成分だけでなく、

色のこと、気になりません?

これで困る人、本当にいるわけです。

身の回りのものの安全性について、

少し考えるきっかけになっていただければ幸いです。

  

(亡き)父の日のための天然香原料のみの線香。

2024年06月16日
今日は父の日。

亡き父にもプレゼント。

もちろん手作り線香です。



仏さまへのお供え物。

花やお水、食べ物も大切ですが、

一番大事なのは、香。

まぁ~宗派にもよりますので、

全て、というわけではありませんが。



古来より仏教にとって香はとても重要なもの。



沈香、白檀、龍脳、丁子など

とても貴重な香原料で作ります。

ワシントン条約の対象になってる原料も多くなり、

天然の香原料は貴重なもの、

価格も年々高騰しています。

入手しずらいものも多くなってますしね。

天然の香原料、どんなに混ぜても

カラフルな色を発色することはありません。

そりゃそうだよね、

だって草根木皮だもん。

粉末にすれはほぼ茶色。

ということは…ということです。



香原料を混ぜ合わせ、

形にして乾燥させて完成です。

そりゃ時間かかります。

やはり数日要します。

手間はかかるけど、心込めて父にプレゼント。

日本酒好きな父でしたが、

仏さまだから喜んでくれるでしょう。

だって、香が仏さまのご馳走なんだもん。




  

あなたが好きな『いいニオイ』健康にいいですか?悪いですか?

2024年05月21日
お香やアロマテラピーの精油など、

香りや香り成分について長く関わっているのですが、

ニオイのことについていろいろ話ししていると、

話す相手と共通の認識がないことがあり、

たまに話がかみ合わないことがあります。

同じ日本語話してるのにね。

なんとも切ない気持ちになります。



食べ物や身体にいいといわれる食品、飲料水。

これは身体にいい、

これは身体に危険な食品だ、

これはこの病気にとてもいい、など、

あ~だこ~だととても拘る人が多いのに比べ、

なぜかニオイ、空気のこととなると

食品ほど拘る人がいないのはなんでかな、と思うわけです。

たぶんこだわるとすれば、

『いいニオイ』『好きなニオイ』のことでしょう。

柔軟剤のニオイや、

化粧品、フレグランスのニオイ

線香の様々なニオイなど。


ニオイは主観的感覚。

目に見えないし、

自分が感じてることは他人も同じだと言い切れないのが

このニオイに対する感覚です。


食べたり、飲んだりすることって

自制することできますけど、

空気って、息を吸うことって

どうやっても自制することできないわけです。

そりゃ短い時間ならば息するの止められますよ、

でも呼吸という身体の機能は止められないわけですよ、

生きてる限りはね。

寝てたって、ちゃんと呼吸してるでしょ。

息ができなかったら死んじゃうわけですよ。

吸っている空気も汚染してたらいろんな病気に繋がってしまう。

空気に花粉や黄砂混じれば

いろんな症状出て苦しんでる人多いじゃないですか。

いまや花粉症は国民病じゃないですか。

空気に含まれるニオイの成分や

それに関係する様々な物質、成分も同じこと。

それらだってすべてが安全じゃないわけです。

(もちろん安全域ってのがありますけど、
 その差が狭い人も、広い人もいるからね)


ニオイの成分で健康被害受けるってこと

知ってる人は本当に少ないと思ってます。

あまり関心ないというのでしょうかね。


さぁ~あなたが思う『いいニオイ』。

それ、健康にいいですか?

悪いですか?

考えたことあります?


  

立ち昇る線香の煙の形に癒される

2024年05月13日
お香調合するようになり、

香りはもちろんのこと、

灰の色や煙の立ち昇り方、

舞うように立ち消えていく煙を見るのが

ほぼ日課になっています。



お天気の良い日や曇りの日。

とくに雨の日は香りが強く感じられます。



落ちる灰の色。

意外と気になさらないと思いますが、

天然香原料のものと、

合成、ケミカル系のものでは

灰の色、その形状、落ち方も異なります。



何よりも、天然香原料を贅沢に使った線香は

その立ち上がる煙もとても美しい。

繊細なシースルーの布がふわふわと舞っている。

いつまでも見てても飽きない。

同じ形にならないその煙に

香りの効果も相まって心落ち着くのです。



そう思うようになったのは

香のことをきちんと学んだ証なのですがね。

まだまだ修行中の身。

日本人は仏前や趣味として香を使いますから、

お香のことよく知ってそうなんですけど、

じつはあまり知られていないことが多いのです。

源氏物語の香り、何か知ってます?

お線香じゃないですからね。

それからお香は雑貨、法律的に表示義務ないんです。

知ってました?

  

Posted by 茶香房ひより at 16:01Comments(0)お香調合 お香講座・教室

母の日に白いカーネーションと手作りお線香。

2024年05月11日
明日は5月12日、母の日なわけです。

もう赤いカーネーションを贈る母はいません。

いつかはそういう時が訪れるものですけどね。



仏さまに届けるのですから、香が一番なわけです。

香は仏さまの供物、お食事ですから。

だからこそ良いものを届けたい、

いい香りを届けてあげたいわけです。


沈香の香り。

一つではありません。

産地や品種などにより香りは異なります。

お香調合を学びだした頃は

キリっとした辛味立つタニが好きでした。

ここ数年甘味が特徴のシャムに凝っています。



シャム沈香と高品質の白檀である老山白檀を贅沢に使い

沈檀線香を調合します。

シンプルに、かついい香りになるように。

天然のお香原料だけで作る、贅沢なお線香。



ある程度纏まったら、試香します。

これでいいのか、調整が必要なのか見極めるわけです。


あとは水を加え、練って線香の形に整えます。




ここ数日いいお天気ですから、一日もすれば完成です。

白い水引のカーネーションを添えて。


手作りのものを喜んでくれる人ではありませんでした。

でも今は仏さま。

本物の香のかおり、わかってくれるでしょう、

あの世でね。



合成香料バリバリの、なんとも云えない香りは

私自身使えません。

化学物質過敏症なので

喘息や頭痛など、健康被害出ますから。

でも、香りは主観的な感覚。

人さまにどうしろ、こうしろと

強要できるものではありませんから。

そうはいっても、

本物の香木などの香り知らずに

合成香料のものを本物と勘違いしてる人が

圧倒的に多いですからね。

本物を知ること、大切なことだと思うわけです。


  

香と結びのお守り。

2024年03月08日
金襴の袋に結びをあしらった

ミニ香袋。

御守り香袋とでも言いましょうか。



古来より

香と結びは、魔除け、お守りとして

とても大切にされてきました。

平安時代の

とくに女性たちにとって

和歌、書、音楽などど並び

香も結びも

教養必須科目のひとつだったっことは

あまり知られていません。

和の文化である、香と結び。

もう忘れられてしまう

文化のひとつなのかもしれません。


  

お香調合体験、常時開催しています。

2024年03月07日
茶香房ひよりでは本格的な講座だけでなく、

初めての方向けの体験講座も

常時開催しています。





何するの?

どんな風に作るの?

お香製品を作るといっても、イメージしにくいもの。

実際に天然のお香原料に触れていただきながら

日本の伝統的な香りについて

体験していただけるようになっています。



匂い袋作り  1,650円

調合済みのもので作るのではなく、

白檀、龍脳、丁子など、

それぞれの原料の香りを確認していtだきながら

調合の体験をしていきます。

縮緬の袋に入れて完成です。




塗香つくり  2,750円


お清めのためのパウダー状のお香です。

最近では和のフレグランスとしてお使いの方もあるとか。

こちらもそれぞれの原料の香りを確認していtだきながら

調合の体験をしていきます。





昨年の夏ごろから始まりました、白檀線香作りです。



白檀線香作り 2,200円

お香の調合はしませんが、

高品質の白檀を用いて線香を作ります。

約10㎝ほどのお線香が30本ほど作ることができます。




どの体験も20~30分ほど。

(複数同時の場合はお時間もう少し伸びます)

とくに予約はありませんが、

お電話などで一度確認いただけるとありがたいです。

電話:0577ー34ー7533 です。


天然香原料のみで作ります。

合成香料は一切使いません。

昔ながらの和の香り

愉しんでいただけたら幸いです。








  

源氏物語と香り。春の練香作り講座開催しています。

2024年03月06日
今年はお天気の急激な変化で、

いつになったら春が来るのか

さっぱりわかんない3月ですが、

せめて香りだけでも春の香をお届け。



今年のNHK大河ドラマ『光る君へ』は

平安時代が舞台となっています。

香りは画面から伝わりませんが、

道長や公家が住まうそのお屋敷には

香のかおりで満ちていたわけです。



六種の薫物 梅花。

源氏物語 第三十二帖 梅枝 で

紫の上がお作りになったのも、梅花。




初めての方でも大丈夫です。

練香作りしてみませんか?

おひとりでも、複数OKです。
(複数の場合は3~4名様まで)


時間: 2時間ほど

講座料: 5,500円(材料費込み)

基本的にご希望の日に行います。

講師不在の時もあるので、お問合せ下さい。

電話:0577ー34ー7533




源氏物語のかおりは線香じゃないですからね。

練香ですからね~。





  

伽羅、沈香の香りを愉しむ(学ぶ)会、無事終了。

2024年02月17日
本日は地元の練香作りのお客さま方と

聞香を愉しむ会となりました。



伽羅、羅国などの

六国五味の香りを学びます。

練香を作る際、沈香をたくさん用いますが、

沈香といってもいろんなものがあるわけです。

繊細な香りですからね、香木の香りは。

聞き比べるのは慣れないととても大変なのですが、

香道ではありませんのでね。

あくまでも学ぶことが目的。

参加されてる方々は

茶道、煎茶道の先生、生徒さん。

何回か試していくうちに

皆さまの豊富な知識と香りが結びついて

いろんな話しに花が咲き始めました。

なので、教わることも多かったわけです、

私としては。



講座終わったあとも

伽羅、沈香の香りを楽しんでます。

今聞いてるのは、真那伽。

「女のうち恨みたるが如し」です。

なんとも凄い表現やなぁ。

  

香木のこと。伽羅とか沈香とか白檀とか…。

2024年02月13日
昨日は遠方からの馴染みのお客様の

伽羅の練香づくり講座をしておりました。

伽羅、といっても栽培伽羅ですが。

講座では伽羅や沈香の基本的なことを

皆さまにお話しさせていただいてます。



というか、

そもそも伽羅ってどういうもの?

ってことなんですけどね。

お線香で、

沈香や白檀、伽羅の名が付いたものありますが、

それの香りだと勘違いしてる人が多いですけど、

はっきり言って違いますからね。

簡単に云うと

『カニ』と『かにかま』みたいなもんですわ。

この例え、わかります?

『かにかま』はどんなにカニの味に近づけても

『かにかま』な訳です。

『かにかま』を本物のカニと言い張る人はいないはず。

両方わかっているから区別できる。

知らなければ、

違うものを『本物』と思い込んでしまうこともあるわけです。






そもそも香木とは

基本的に『伽羅』『沈香』『白檀』のことを指します。

白檀は樹木です。

芳香成分を蓄えた木。

じゃあ、伽羅や沈香は?

正確に云うと樹木ではないわけです。

沈香樹という木に樹脂が溜まったもの。

今ではとても貴重な香木ですから、

香木を使った線香はとても高価。

安いものではないわけです。

本物の伽羅使ってる線香だったら

数本で〇万円しますけどね。
(よう使わんわ~ってくらい、高価です)


なんて書きだすと、止まらなくなりますからね、

今回はこの辺で。


ということで、

伽羅、沈香、白檀の香りを確認いただきながら

練香を作っていただきました。



練香って?

この正露丸状のものは、れっきとしたお香。

平安貴族が愛用していたお香。

紫式部の『源氏物語』にもよく登場するお香です。

源氏物語で出てくるお香は

お線香じゃありませんからね。

お間違えの無いように。