大事な方の初盆だから贅沢なお線香作ります。

2020年08月07日
今年はその方の初盆だから、

老山白檀の贅沢な香りを届けましょう。



鬼籍に入ったことを伺ったときは

あまり実感なかったけど、

時がたつにつれて

いろんな思い出

表情やその声を思い出すもの。

墓前に手を合わせにいくことはできないけれど、

この香りを天にお届けすることとしましょう。




お線香を手作りすることって

一般にはあまり知られていませんが

自分で作ることできるんです。




化学物質過敏症や香料などのアレルギーで

市販のお線香使えない人は多いもの。

実際に何を使って作られてるのか

わかんないですからね。

薬機法上は「雑貨」。

表示義務はありません。

問い合わせても開示する義務ありません。

使って体調崩すなら

自分で作ったほうがより安全。


ということで

香原料である老山白檀を贅沢に使った

老山白檀香。

喜んでいただけるかな。

お釈迦様がお好きな香りなんですからね。

きっと気に入ってくれるでしょう。





  

さぁ~せっせと蚊遣り香、作ろ~っと!

2020年08月06日
化学物質過敏症発症以来

市販の蚊取り線香は一切使えない、私。

そうであれば自分で作ればいいわけで。

まぁ~ありがたいことに

お香調合指導の講師をしておりますので

これぐらいはお手のもの。




最近では

除虫菊だけ使った簡単な体験はよく見かけますけどね。


でも、除虫菊だけだと

かえって臭くて気分悪くなることもありまして。

だったら、いい香りに調合すればいいわけです。



天然のお香原料を一緒に調合。

白檀、龍能、丁子、桂皮など

お香の原料は漢方生薬と共通するものが多いんです。

なんととても贅沢な蚊遣り香。


蚊遣り香って?

蚊取り線香のことですが

薬機法上、防除用医薬部外品になるために

手作りのものはそのように表記できません。


「蚊遣り」とは古くから使われている言い方。

蚊を払うために木や葉っぱ、

ミカンの皮など燃やしたりいぶしたりすること。

俳句においては夏の季語でもありますよね。

除虫菊を燃やすことだって「蚊遣り」ですから

あえて手作りのものを「蚊遣り香」と呼んでいます。



贅沢な香原料も使ってますから

単価にするととても高価なものになりますけど、

白檀の贅沢な香りも合わさって

とても使いやすい香りです。



もちろん体験もやってますよ。

気になる方はどうぞ。



  

夏休み自由研究「和のコト」始めてみませんか?

2020年07月30日
もうすぐ8月夏休み。

今年は新型コロナによるいろんな影響で

夏休み期間はとっても短い。

でも宿題はしないとね。


ということでこんな企画してみました。

題して

夏休み特別企画
自由研究で「和のコト」始めてみませんか。







テーマは3つ

ひとつは「お香調合」です。

お好きなほうを選んでね。

お香調合体験(2講座)
 その1.除虫菊の使った蚊遣り香作り(蚊取り線香のことですね)  
       2,500円(税抜  材料費込)
      
 その2.お線香つくりを体験しよう。   
       2,500円(税抜  材料費込)

     

次は日本茶。

 こども日本茶体験講座   
       2,500円(税抜  テキスト付)





そして3つ目は

 水引の結びを体験しよう   
       2,500円(税抜  材料費込)

 
基本の結びの一つ「追いかけの結び」を覚えて

髪飾りのパーツ作ってみましょう。






自由研究のテーマとして

「和のコト」体験してみませんか?

もちろん、自由研究じゃなくても大丈夫です。

親子での参加も大丈夫ですよ。



実施期間:8月1日~8月末まで(ご予約下さい)

体験時間:内容により異なります(1時間半ほどの予定です)

体験場所:茶香房ひよりにて行います。




お問い合わせ・申し込みは

  茶香房ひより
   ☎ 0577-34-7533


  ※「みんなで応援商品券」
    使っていただけますよ!







  
  

着物にフレグランス使ってるんですか?ー塗香のすすめー

2020年06月11日
お香製品のひとつ、塗香。

身を清める、魔を除けるための

パウダー状のお香です。

その塗香を入れる「塗香入れ」3種入荷しました。



今までの黒檀、桜に加え

紫檀も取り扱い致します。



合成樹脂とか型で固めたものじゃないですから、

ひとつ、ひとつ、表情が異なります。




私の塗香入れは、桜。

長年使っていますので、

軽い茶色から光沢ある深みが加わりました。





寺院にお参りされる際はもちろん、

御朱印いただくときもちゃんと身を清めていただきます。


最近ではお着物を召される方が纏う香りとしても

注目を浴びている「塗香」。

塗る、香と書いて「ずこう」と呼びます。

和のコト嗜む素敵な方の必須アイテム。

もちろん塗香は自分で調合したmy塗香ですね。

合成香料や天然のものでも塗香に使えない香原料もございます。

昔ながらのお香原料を調合して作る、

自分だけの「塗香」。

えっ!

お着物に洋のフレグランス使ってるんですか?

イメージ合わないと思いますけどね。

もちろん

今どきのくどくてクサい柔軟剤のニオイを

プンプンさせるのなんて論外ですけどね。

身に纏う香り、ニオイって

その人の生活が鏡に写るように見えてしまうもの。

見えるもの、言葉よりも恐ろしいものなんです、

じつは。




  

Posted by 茶香房ひより at 16:25Comments(0)お香調合 お香講座・教室

正倉院の裛衣香(えび香)を再現する。

2020年05月23日
正倉院の裛衣香

えび香と読みます。

正倉院には今に伝わる合香があります。

資料が残っていますので、

実際に調合することができます。


  上記の書き方は紛らわしいので、少々訂正。 (2025.5.6)

正倉院では奈良時代のえび香の成分に倣い調合したものを

明治時代から防虫目的として用いていたそうですが、

防虫効果ないことが判明し、

今は防虫香として使われていません。

防虫効果を検証した論文や

正倉院について書かれた書籍などに

使用した香原料とその調合割合が残っていますので、

実際に調合してみることができる、というわけです。



防虫効果を検証した論文のことを以前から知っていたので

ずっと ??? だったわけです。

いろんな書籍読み漁り、腑に落ちた次第です。

一日も早く訂正を、と思っておりましたが、

遅くなって申し訳ありません。





といっても、

当時とお香原料の質は異なっていますから

100%香りを再現することは不可能なわけで。

香りは残りませんからね。

100年も、1000年も。

資料にある香原料を使い、

どんな香りかは想像することができるというもの。




とてもシンプルな調合ですが

その香りは重厚感とともに、

洗練された雅な香り、ですね。

今の人には、ウケないかもね。

私はやっぱり好きですけど。

金襴の袋に詰めて、

ミニ置き香なんて、素敵です。

掛け香にしてもいいかも。

使ってる香原料はとても高価なもの。

その辺で市販されてるものとは

ちょっと異なる、贅沢な香袋なのです。





  

Posted by 茶香房ひより at 21:38Comments(0)お香調合 お香講座・教室

専門家としてお線香を手作りする、贅沢な時間。

2020年05月17日
「お香の調合を専門的に学ぶことができる」。

このことを知ったのはもう9年も前のこと。

何もわからないまま飛び込んだ、「香司」の道。


「香り繋がり」ということで、

当時も今もその扉をたたく人には

アロマテラピーやハーブに関わってる人多いですけどね。

茶道など芸道事に関わってる方も多いです。

でも、実際その世界に入ってみると、

アロマテラピーやハーブとは

全く異なる、日本の伝統としての「香」。

仏教や日本の歴史、その概論、

文学とのかかわりや古文書に頭悩ませたり。

香原料の専門知識は当たり前。

そしてお香調合の実技講座。

泣きながら勉強しましたっけ。


今ではその「香司」を養成できる

「薫物屋香楽認定教授香司」にまでなっちゃいましたけどね。

(ちなみに全国でもそんなにいないし、

           岐阜県では私だけです)

まぁ~ここ飛騨では

お香のことちゃんと学びたい!って人はいないので、

もっぱら体験としての、ワンデー講座しかしてませんけどね。

それと、

天然のお香原料のみで

香製品を自ら作り出せるという

なんとも贅沢な時間を過ごせるということでしょうか。




もう夏ですから、

タニ沈香と龍脳を贅沢に使って

凛として涼し気なお線香を作りましょうか。



香原料って適当に混ぜてるわけじゃないんです。

線香って燃やしますからね、

香原料もちゃんと燃やして香りを確認します。



香原料の配合比は

同じものを使っていても

線香や練香、匂い袋、

それぞれ異なりますからね、

それらの知識を硬い頭に叩き込んで

自然と手が動くようになるまでは

相当な時間がかかるもの。

「香司の資格取った~!」なんて

ただ喜べるものではないんです。

そこからが修行でしょうね、たぶん。






ずべて混ぜ上がった後も、燃やして確認します。

香原料だけ混ぜ合わせても固まりませんから

必ず固めるものが必要なわけで、

昔から「椨粉」を使い、形作ります。

椨粉も貴重な香原料。

最近のお線香は何を使って固めてるか表記ありません。

     だって雑貨だもん。

     表記義務ないもんね。

  製造元に聞いたって教えてくれんもんね。

  だって教える義務ないもん、雑貨だから。



お線香で気分悪くなるとか、喘息出るとか、

体調悪くなる人の話しよく聞きます。

だから「お香は大っ嫌い」「線香大嫌い」ってね。


でもね、

本物のお香原料のみで作るお線香は

香りもとても優しいし、

煙臭いなんてこともないわけです。
(もちろんちゃんと勉強せんならんけどね)




そして、乳鉢の材料を練り練りしたら

スティック状の

いわゆるお線香の形にしていくわけなんです。




あとは十分乾燥させますよ。


そうそう、

赤とか黄色とか紫とか。

最近のお線香は色がついてるのがほとんどですが

あれは合成色素です。

お香原料は「草根木皮」。

どんなに混ぜ合わせても

カラフルな色付きにはなりませんからね。

あしからず。


す~っと涼やかな、

仄かに香る天然香原料のお線香。

お香製品を自分で作れるってことは

じつはとても贅沢なことなんやろな。

こういうことを学べたことは

最高の財産やと思ってます。

(そうはいってもまだまだ修行中ですけどね)


この線香、

限定で販売する、かもね。


  

Posted by 茶香房ひより at 20:53Comments(0)お香調合 お香講座・教室

明日は彼岸の入り。本物の白檀線香を手作りする。

2020年03月16日
明日17日は

2020年、春の彼岸の入りになります。

それ以上に父の命日がなんと彼岸の中日ですからね、

「忘れんなよ~!」ってことでしょうか💦


彼岸とは煩悩のない悟りの世界、

仏さまの世界のこと。

ご先祖様や大切だった方を想い、偲び、

自然に感謝する日本独自の習慣。




仏さまにお供えするお線香、

化学物質過敏症発症以来ずっと

何を使われているか分からない市販の線香は使いません。


また私自身、香製品の調合を専門にしていますのでね、

そりゃ~もちろん、

天然のお香原料だけでお線香を作ります。




今回使用するのは根木白檀。

白檀と一言でいってもいろんな種類があり、

どう作るかによって使い分けています。

今回はシンプルな白檀のみのお線香をつくりますので、

老山か根木白檀のどちらか。

どちらも高品質の白檀ですが

今回は贅沢に根木白檀を使います。


香原料だけを固めようとしても

線香の形を作ることはできません。

昔からその糊剤として「椨粉」を使います。

椨粉とは、

クスノキ科の広葉樹「タブノキ」の樹皮を粉末にしたもの。

これがタブノキです。




樹皮を粉末にしたもの。




お香の調合は本来何種類かの香原料を混ぜ合わせ

香りを作りだしますが、

今回は最もシンプルで、かつ贅沢なお線香、

根木白檀と椨粉だけで作ります。

それに水を加えて混ぜ合わせ

練り練り、練り練り。




その練ったものを線香の形にしていきます。





それをしっかり乾燥させれば

ハイ出来上がり。

最も贅沢な白檀線香のでき上がりです。




「線香って煙臭いから大嫌い!」って方ありますが、

いい線香じゃないと思いますよ、ハッキリ言って。

まぁ~最近では、

微煙、微香、無香なんてもありますけどね。

そもそもなぜ仏さまに香を上げるのかを考えると

その煙と香りは天に上り、仏さまのご馳走となるから。

いいお香で故人を偲ぶ。

白檀だけで作る最高のお線香なんです。









  

お香原料「甘松」と聖書の植物と、ワンコの肉球。

2020年03月14日
お香調合に用いる香原料、甘松。

甘い松と書いて「かんしょう」と読みます。



マツではありません。

オミナエシ科(APG体系ではスイカズラ科)の植物で

ヒマラヤ山系、中国山岳地帯原産の植物。

根や根茎を使います。



これは刻み状のもの。



お香の調合にはとても大切な香原料のひとつ。

匂い袋はもちろん、

練香や塗香、線香など

配合比は様々ですがなくてはならない香原料です。

そしてこの甘松はアロマテラピーの精油では

「スパイクナード」のこと。

聖書に登場するナルドの香油としてもとても有名な植物です。

マグダラのアリアがイエスの足にナルドの香油を塗り

自分の髪でぬぐうのに使ったことで知られています。

聖書のなかに登場しているということは

ヨーロッパにおいては古くから知られた植物。

日本においても古くから使われています。



主原料にはなりませんが

その独特な香りは何とも病みつきになる香り。

ものすごく嫌う方もありますが

「なんかクセになるわ~」といって

クンクンする方も多い原料。

もちろん精油もいい匂いではありませんが

やはりクセになる香りです。

精神・神経系に働きかける精油として

芳香を目的として使用します。
(でも、価格はそんなに安くないです)



この香りをどう表現するか?

植物の匂い、というより動物のニオイを連想させます。

そう、ワンコの肉球のニオイ。

嗅いだことあります?

ワンコでなくても猫ちゃんとか。

あとは…

え~っと、そうですね、

ずっと、ずっと使ってて、

何年も洗ってないタオルケットのニオイ、

なんてどうでしょう(^^;)

何となく想像できるのではないでしょうか。

最初は使うのちょっとためらうのですが

お香調合を学んでいると

この「甘松」をかっつり使うようになってきて、

更にはそれでは物足りなくなり…



その結果たどり着く香原料が、

こちら!



こちらは「吉草香」と申します。

読み方は「きっそうこう」ですね。

こちらのニオイは

それはそれは強烈な酸味の強いニオイ

というか臭いです、ハッキリ言って。

う~ん、💩のニオイに近いかも。

化学に詳しい方ならば

この香原料の名前を聞いて

「そうだよな~クサいよね~」と思えるというもの。

そう、カルボン酸のひとつである「吉草酸」だもんね~と

納得していただけるのではと思います。

こちらの香原料も

アロマテラピーの精油として存在しており、

「バレリアン」と申します。

和名は「セイヨウカノコソウ」

やはりオミナエシ科(APG体系ではスイカズラ科)の植物です。



そのニオイは香原料の吉草よりもとてもマイルド。

精油の芳香成分類はエステル類が多いですからね。

こちらもスパイクナード同様

精神・神経系に働きかける優れた精油のひとつ。

ただしこちらの精油も価格そんなに安くないですから

どうしても必要なの時の

これじゃないとという精油、ということになりますよね。


お香原料にしても、精油にしても、

とても大切な芳香植物のお話しでした。



  

香原料「龍脳」と書道とカビと、精油の香り。

2020年03月10日
お香の調合っていっても

いったい何をするのかわかんないと思いますが、

ただ香原料を混ぜればいいというわけではないんです。


いろんなお香原料の香りをしっかり覚えることは必須。

香製品の配合の勉強はもちろん、

それだけではなく、

仏教と香の関係やその歴史、

文学との関わりなど、

いろんなこと覚えたり、経験したり。

それでもまだまだ不十分なわけで。

全国でも数十名しかいない

「薫物屋香楽認定教授香司」をしておりますが、

日々修行は続きます。




匂い袋の調合で必須なお香原料のひとつ、

この白い結晶のようなもの、「龍脳」といいます。

皆さま必ず「樟脳でしょ!」っておっしゃいます。

見た目一緒ですからね~

これ、龍脳。


これは樟脳。


う~ん、一緒ですもんね。

龍脳だけの香り確認していただくとわかんないですが、

樟脳もお渡しすると皆さま「あっ、違う」となります。

樟脳はクスノキの葉や枝などから採れる昇華性の結晶。

(しかし天然のものはとても希少であり、
  いまは化学合成されたものを使っています。)


龍脳とは東南アジアのボルネオなどにのみ生育する

フタバガキ科の龍脳樹に含まれている二環式モノテルペン。

ボルネオールですね。

ちなみに樟脳はケトン類のカンファーです。

両者比較すると、

   龍脳は比較的優しい香り

   樟脳はつーんととがった香り、となるでしょうか。

この香りの違いは

アルコールとケトンの違いからくるもの。


アロマテラピーの精油だと

ボルネオールは

イヌラ、タイム・サツレオイデス、

ローズマリー・ベルベノンにも含まれる芳香成分。


カンファーはクスノキはもちろん、

ローズマリー・カンファー、ラベンダー・スピカなどにも

含まれている芳香成分。

どちらも医薬品原料としても使われている芳香成分です。



さて、匂い袋の調合に欠かさないこの「龍脳」ですが、

龍脳樹自体が絶滅危惧種になっており

そのため天然の龍脳はなかなか入手するのが困難な状況です。

ちなみにこれが純天然龍脳。



現在は分子構造がよく似ている樟脳から精製したものを

龍脳として用いています。


  「じや~そんな貴重な香り、

      知らないですよね、龍脳なんて香りは」


ここまで読まれてそう思った人は多いと思いますが、

じつは身近なところで使われています。


書道されてる方はこの香りをご存知なんです。

じつは書道に使う「墨」に使われています。

墨を作るときに使用する「膠」のニオイを消すため

使用されています。




お香調合の勉強を始めた頃、

どうしてもこの「龍脳」の香りは好きになれませんでした。

何か「クサい!」と感じてしまうのです。

なんだか知ってるけど、

生理的に受け付けないなんとも言えない不快なニオイ。

なんでだろ?

ず~っとそう思ってきました。

なんのニオイなのか?

それはですね…

カビのニオイのひとつとして知られているにおい成分

2メチルイソボルネオールに構造がよく似てるんですよね。

私には「墨」の香りというよりも

カビの臭いとしか認知できなかったわけです。

今では龍脳の香りはとても大好きな香りのひとつですけどね。



そうそう、

この龍脳は玄宗皇帝が楊貴妃に贈ったとされる香料のひとつで、

楊貴妃が亡くなるまで身につけていた香りとしても有名であり、

奈良県にあるマルコ山古墳から出土した遺骨から

龍脳の香りが検出されたことでも有名であり、

これらの話しはお香を司るものであれば

基本的知識として知っておくべき知識のひとつなのです。



お香調合は簡単なものから本格的なものまで

いろいろ体験いただけます。

ご興味おありの方は、ぜひ。

















  

お香のかおりと梅の花。

2020年03月09日
宮川の河川敷の梅の花。

ちょうど見頃となりました。



そんなに本数はないのですが、

雨に濡れ、急激な冷え込みにも耐えて

温かみのある、優しく甘い香りが満ちています。



梅の香りの主成分は種類や花の色でも異なるようで、

一概には言えませんが

白梅の場合

エステル類の「酢酸ベンジル」が多いとのこと。

あと、フェノール類の「オイゲノール」が多いものや

そしてピンクから紅色に近いものでは

芳香族アルデヒド類の「ベンズアルデヒド」だそうです。

その他

芳香族アルコールの類などが確認されているようです。

その成分香りから連想するのは

アロマテラピーの精油でいうとイランイランやジャスミン、

そしてベンゾイン、

クローブ、シナモン(樹皮、葉)などの香りに近いということが

わかります。





お香の調合には「六種の薫物」というのがあります。

    ろくしゅのくんもの?

じゃないですよ。

「むくさのたきもの」と読みます。

薫物とは空薫物のことで

線香のことではなく、温めて使うお香、

即ち、練香を用いることです。



正露丸のような丸薬状のお香。

茶席の香として冬に用いられますから

茶道嗜む方はご存知かも。

といっても、

ほとんどの方が販売されてるものを購入してお使いのようで、

価格が安価な「梅ヶ香」を使ってらっしゃる人が多いかも。

梅ヶ香はなんの香りなのか?

これは梅の花の香りではないですからね。

お間違えなく。



話しを戻して…

お香調合では、もちろん「練香」の調合も行ないます。

その基本になるのが先ほどの「六種の薫物」。

そのひとつ、

この時期の春の香りとして調合するのが「梅花」です。

平安貴族たちの嗜みの香であり、

「梅の香に似たり」と称される、春の香。

源氏物語の「梅枝」で、

光源氏の一人娘である明石姫君のために

紫の上が調合したのが「梅花」。

沈香を主とし、貝香、甘松、白檀、丁子などを

調合して丸薬状にします。


香を司る「香司」ですからね、一応。

梅の香りをちゃんとわかっていないといけないわけで

梅の花を見かけるたびに

くんくん、くんくん、してしまいます。

香りの表現はとても難しいもの。

主観的なものであり、

数値化したりすることができないため

言葉で説明するのは本当に難しい。

ましてや

その香りを知らずして

調合をするなんてことは許されないことです。

春の、この時期だけの特別な香りだからこそ、

ちゃんと観察することしないとね。





もちろん、練香の調合体験もできますよ。

気になる方はぜひ。








  

Posted by 茶香房ひより at 20:46Comments(0)お香調合 お香講座・教室