あまり知られてないお香原料の話し、クローブ。

2020年01月10日
たまに作る、アップルポマンダー。

西洋の香り玉です。

ハーブやアロマテラピーに関心ある人なら

一度は作ったことあるかも。



ブツブツしてるのはクローブ。

カレーやチャイのスパイスとして使われますから

お料理やお菓子作り好きな方なら

お馴染みのハーブ、スパイスです。

もちろんアロマテラピーの精油としても存在しています。

特徴的な香りをもつ、クローブの精油。

その特徴はなんといっても

フェノール類の「オイゲノール」を多く含むこと。

その特徴ゆえ、使い方も禁忌・注意があります。

(ナードの資格お持ちの方、大丈夫ですね)





じゃあ、このクローブ、

いつから日本で使われるようになったのか?

ハーブやアロマで馴染みなので

比較的最近と思われているのでは。



日本では「丁子」とよばれるクローブ。

正倉院にはすでにもう収められていたのです。

天台宗、真言宗の密教のお浄めとして

「含香」や「丁子風呂」として用いられています。

また丁子染めとして、

古くから日本の色としても有名です。

漢方生薬としてももちろん使われていますし、

お香の原料としてとても重要なものでもあるんです。

匂い袋はもちろん、

お線香や練香、塗香など

いろんなお香製品に調合される、

昔からとても大事な香原料です。

(市販の合成香料ものはわかりません、あしからず)


あっ、もちろん日本では栽培、採取できませんからね。

国産なんてありえません。

それは日本で丁子が使われることになった当時から

ず~っと「輸入」されていた、ということです。




そうそう、精油のクローブの香りは

「歯医者さんのニオイ」と説明することありますが…

最近、そうそう!って納得いただける方は

そういう世代ですよね~(^^;)
(若い方にはわかんないかもね~ってことです)


そうはいっても、クローブ、丁子は

日本人にとって古くから馴染みある植物だったということなんです。  

「お屠蘇」とお神酒は別物!日本の伝統的お正月を学ぶ「屠蘇延命散」作り講座。

2019年12月16日


お屠蘇の話しというと、

ほとんどの方が「お神酒でしょう」とか

「お屠蘇気分」なんて言葉もあるくらいですから

新年にお神酒など日本酒やその他お酒をいただくことと

思ってる人が圧倒的に多いもの。




そして、

ご存知のかたが口々におっしゃられるのは

「でも不味いのよね~

 一口舐める位にいただくだけ」

とか、

「子供とか不味いから飲まないのよね~」って、

お屠蘇 = 不味い

の公式があるようです(^^;)



日本の伝統的なお正月のしきたりとして

「お屠蘇」は言葉こそ知っていても

それが何なのか知らなかったり

勘違いしていたりするものです。






茶香房ひよりとしてオープンする以前から

静かに、静か~に開催している

  「日本の伝統文化を学ぶ
       屠蘇延命散作り講座」

今年はなんと11月よりすでに始まってます。

大きく告知はしませんが、

口コミ、ご紹介などで

今年もいろんな方々に調合を体験いただきました。

毎年参加されてる方も多いのです。

県外からも参加いただいてる、この講座。

12月も半ばとなり、

空き日も少なくなってます。




でもやってみたい!

体験してみたいという方は

一度お電話にてお問い合わせくださいませ。





お神酒やお酒飲むことが「お屠蘇」ではありません。

どんな意味や歴史があるのか?

それを知ることもまた楽しいもの。

ご家庭の健康と幸せを願って

本物の「お屠蘇」で新しい年を迎える。

素敵だと思いませんか。


※この講座は、岐阜薬科大学名誉教授/元学長の
 水野瑞夫先生の監修・ご指導の元開催している
 体験講座です。

 屠蘇散の販売はしておりません。
 













  

お線香は本物の白檀贅沢に使って、手作りします。

2019年11月25日


ひよりには市販のお線香使うと

頭痛くなったり、気分悪くなるとか

喘息悪化させる人も来店されます。

最近はネットでご覧になり

お問い合わせいただくことも増えました。


「あの強烈にクサいニオイは使えない!」

皆さま口をそろえてそうおっしゃいます。

私自身、化学物質過敏症ですから

合成香料やフレグランスオイル

たとえ天然であっても精油を燃やすことは

絶対にできないわけで。

香料だけの問題ではなく、

線香を固めるために用いる賦形剤の類にも反応するため、

昔ながらの天然香原料を使った

お香調合にとてもこだわるわけでして。





そんでもって、これは白檀です。

白檀が何なのか、知らない人多いですね。

白檀って木なんです。



木そのものが香ります。

日本では古来よりずっと輸入しています。

でも、最近は入手困難になりつつある

香原料のひとつなのです。

入手が難しいなら栽培すればいいんじゃない!

と思うかもしれませんが、

この白檀という植物、

簡単には栽培できないわけでして、

ましてや日本国内で栽培なんて無理なんです。
(植物園レベルだったらできるけどね)

昔ながらのお香原料は

全て輸入です。

国内で賄えるものは1つもありません。

その白檀をふんだんに使用して

白檀線香をせっせと作るなんて、

ふふふっ、最高の贅沢やね~。


もちろん体験講座、本格的な講座として

白檀や調合したお線香お作り頂くこと

できますよ。

気になる方はどうぞお問い合わせくださいませ。




  

Posted by 茶香房ひより at 21:40Comments(0)お香調合 お香講座・教室

本物の白檀の香り、知らない人多いもんです。

2019年11月03日
「何言ってんの!そんなわけないじゃない!

私、白檀のお線香とても好きなんですから~!」

なんて声聞こえそうですが

そうなんです、現実は。

本物の白檀前にして

「知ってる香りとちがう…」 と言って、

意気消沈する人、多いです。

巷に「白檀線香」と名の付くお線香

たくさん販売されていますけど

ほぼ、合成香料、ケミカル香料、

その他、イメージとして語られているだけもの多いです。





「白檀の香りって、とても甘くて強いですよね~」って

そう言われるたび、

この人何使ってんだろ?

だぶんあれだろな~ってお線香

思い浮かびます。
(有名だもん)


本物の白檀は、

頭が痛くなるほど強烈なニオイを発することありません。



これ、本物の白檀の刻み。

ただの木のチップではございません。

ちなみにこれは文香にします。



ほとんどの人がお気に入りのお線香を粉にして

文香を作るようですが、

化学物質過敏症の私にとって

合成香料の線香は息ができずに窒息します。
(まっ、ケミカル香料センサーみたいなもんです、私の身体は)


本物の白檀の香りは仄かで、とても上品。

本物の白檀扇子持ってる人なら

わかると思います。
(偽物あるから気をつけてね~)

大体において、

本物の白檀、高いです。

それを使ってお線香を作るとなると

いったいいくらになるのだろう…。

万に近い価格のお線香ならいざ知らず

安いお線香に本物の白檀使われていません。

あしからず。
  

Posted by 茶香房ひより at 21:17Comments(0)お香調合 お香講座・教室

お仏壇の香炉灰交換してないなんてダメでしょ、お盆なのに。

2019年08月11日




昔ながらの天然香原料でつくる手作りのお線香は

煙の形が変化するのをいつまでも見ていられます。

上質なオーガンジーが風にのってフワフワと舞う、

そんな感じの美しさ。

時間を忘れて見ていられます。



という話題ではなく、

最近「香炉の灰をどう手入れするの?」と

質問されます。

線香の燃え残りが中に残っている、

灰が固くなるなど、いろいろあります。

ひよりは一応お香専門店。

毎日お線香を何本も焚くことがありますが、

香炉に線香が残ることはありません。

いつもふかふか、

燃え残りはできたことがありません。





どうしてなの?って質問されますが

答えは簡単。

香炉灰は定期的に交換しましょう。

お仏壇を購入してから

一度も交換したことないというご家庭が多いと思いますが、

使っていれば灰は汚れるし

灰にニオイも付いてしまいます。

ヘンなニオイも付くし、

湿気吸って固くもなります。

いろいろ手入れ用品も販売されていますが

一番いいのは

なんといっても灰を交換すること。



香は仏様にお供えする五供のひとつ。

とても大切なもの。

お花が枯れればお水交換したり

花を処分し新しいのにしますよね。

お茶やお水についても

茶杯やコップはキチンと洗って

新しいものに毎日交換していますよね。

じゃあ、香炉の灰はそのままにしておけばいいのですか?

でしょ!

キチンとお手入れしましょう、

灰を交換して、

新しい灰でいい香を焚く。

仏様のご馳走である香をキチンとお届けしましょうね。









  

Posted by 茶香房ひより at 17:16Comments(0)お香調合 お香講座・教室

お盆のためのお線香。えっ!買ってるんですか?

2019年07月31日
もうすぐお盆ですからね。

亡き人へ届ける大切なお線香。

えっ!買うんですか?

「あたりまえでしょ!」

そうですか…。

それってなんで作られてるお線香ですか?

高級線香?

白檀?  沈香?

「ひと箱1,000円もするのよ!」

でも、何g?

普段使ってるお線香って、

どんなものなのか?知らないことが多いもの。

じつは普段使ってるお線香による健康被害で

使えない人もいるんですよね。

そういう私も化学物質過敏症なので、

市販のお線香のニオイで

頭痛、吐き気などの症状や、

せき込みも激しく、喘息になります。

食べる物の添加物や食材にこだわる人は多いですが、

市販のお線香が何で作られてるか気にする人

本当に少ないんだな、と思ってます。



なので、私はもちろん作ります。

これでもお香屋さんなんで(^^♪

白檀にはいろんな種類がありまして

お線香に使うには「これ!」というものがございます。

そのひとつである、根木白檀のみで作ります。



老山白檀でも作りますが、こっちの方が香りが濃厚。

白檀と椨粉のみ。

これが本当の「白檀線香」ですわな。

白檀なら 何でもいい、

適当に混ぜとけばいいというわけではないんです。

なぜって?

そりゃ、香原料の特徴がわかれば

理解できることなんですけどね。




こちらの根木白檀線香は、

10本入り(7㎝細タイプ ミニ寸) 1,000円でご用意できます。

いまのところ、数量限定です。

老山白檀は

12本入り(7㎝太タイプ ミニ寸) 1,000円で販売しております。



もちろん「自分で作ってみたい!」というご希望にも

お答えしております。

体験版 1,500円(税込、材料費込み)

本格的調合体験は

3,500から5,000円
(税込、材料費込み 使う香原料で価格が異なります)


亡き大切な方へ、本物のお線香の香りを届けてあげませんか?



  

Posted by 茶香房ひより at 19:48Comments(0)お香調合 お香講座・教室

源氏物語の香り、花散里と夏の練香「荷葉」

2019年07月30日
「高山別院の蓮の時期はまだだしね~」

なんて思っていたら、もう明日で7月は終わり。

あわてて作ります、

六種の薫物のひとつ「荷葉」です。



正◯丸やウサギのう〇ちではありません。

温めて使う夏のお香、「練香」です。

あっ!、練り香水とまちがえないでね。

源氏物語「梅枝」の巻で、

花散里が調合したもの。

夏の御方、花散里にふさわしいお香です。

その香りは「夏のはちすのすずしき香にかよいへり」。

「はちす」とは蓮のこと。

今回は源公忠の調合より。



しかし、昔の人は凄いです。

貝の蓋がお香の原料になるなんて

誰が考え付いたんだか。

とても重要なお香原料なんです。

さぁ~もう少し寝かせておきましょう。  

Posted by 茶香房ひより at 18:51Comments(0)お香調合 お香講座・教室

コーン型線香作りを愉しむ。

2019年06月08日


高品質の老山白檀と椨粉だけで作る

贅沢なコーン型お線香。



指でころころ。

なかなか大変ですが、

無心にひたすら形を作る。

心洗われる素敵なひととき。




もちろん体験していただけますよ。

気になる方は是非どうぞ。

もちろん天然香原料のみ使用です。

これが本当の「白檀線香」

余りにも贅沢過ぎて、

一般的に販売されていないレベルのもの。



合成香料や匂い粉、バニリン使った白檀線香に慣れてる人には

ちょっと理解できないかもしれませんね。










  

源氏物語と香(こう)の世界

2019年05月28日
気が付いたらもう20日もブログをupさせていませんでした。

さぁ、なに書こう…

ってことで、

先日知り合いの方から譲っていただいた

瀬戸内寂聴訳の「源氏物語全巻」です。



田辺聖子訳、橋本治訳のものは読みましたがね。



源氏物語の中には

さまざまな香の描写があります。



あるんです…。

知ってましたか?

でも、多くの人はこっちのお香だと思ってます。



はい、お線香です。

でも、

源氏や紫の上、その他多くの登場人物たちが嗜んでいるのは

お線香ではありません。

空薫(そらだき)物のことです。

? って

いま思ってます?

えっと…

練香など温めて使うお香のことです。





こんな感じで

衣に香りを移したりしてたんです。


若紫が伏籠の中に入れて飼っていたスズメを

遊び友達の童女「いぬき」が逃がしたというお話しは

第五帖 『若紫』にありますね。


お香の歴史って、

普通考えたことないと思います。

それに、

ちょっとお香のことかじったことある人だと

すぐに「香道」のことでしょ!

となるわけで。

沈香の香り、最高ですよね。

でも多くの人は本当の香りご存知ないです。

残念ですが…。

香道は日本の3大芸道のひとつですが

その歴史はじつは長くありません。

もともとは武家が台頭してきた鎌倉、室町時代に

その基礎が生まれます。



源氏物語ってそれより前の、平安時代のお話しです。


じゃあお香っていつから日本で始まったのか?


はい、仏教の伝来とともに伝わりました。



公家の雅なお香の世界は沈香のみを楽しむのではなく、

「調合」を愉しみました。

その描写で有名なのは 五十四帖 『梅枝』です。

うめえだじゃありませんよ!

「うめがえ」と読みます。

この帖には薫物の調合と薫物合せのことが出てきます。

どんな香りなのか?

当時の香りを100%再現することは不可能ですが

公家たちがどのような調合をしていたのかは

きちんと資料が残されており、

当時の香りをほぼ(まぁまぁ)再現することが可能です。

さぁ、これから夏にかけての薫物は

荷葉となります。

どんな香りかは…。

もちろん、ひよりで調合していただくこと

できるんです。














  

日本茶とアロマテラピー、そしてお香。

2019年03月26日


茶とアロマテラピー。

そしてハーブや天然香原料。

TI(テルペンインデックス)に

リナロール、ゲラニオール。

それらを多く含む、精油たち。

ニオイのある有機化合物。

関係ないように思われるかもしれしれませんが、

すべて繋がっています。

わかる人にしかわかんないお話しでした。