お香製品を手作りする_シンプルで、贅沢な白檀線香編

2023年07月28日
お香製品を手作りする。

今回はお線香編。



もうすぐお盆ですしね、

仏教にとって一番大切なのがお香です。

仏様へのお供え物として、基本となるのが『五供』です。

五供(ごく・ごくう)とは、香、灯、華、閼伽(あか)、飲食(おんじき)のこと。

閼伽(あか)とは仏様にお供えする水。

飲食は「いんしょく」ではなく「おんじき」と読み、

食べ物のことです。

供養にはこの五つが大事なわけで、

香の立ち上がるけむりは「仏様のお食事」といわれるほど

じつはとても大事なもの。

仏教と白檀はとても関りが深いですしね。


今回はシンプルだけど、とても贅沢な白檀線香の作り方です。

このパウダー状のものが白檀です。



匂い袋の時は刻んだ状態の原料を使いましたが、

線香の場合は粉末状の香原料を用います。

白檀とひとことで云っても

品種や産地などにより、香りなど特徴が異なります。

線香は燃やしますから、

燃焼に耐えられるものを用います。

今回使うのは「根木」。

白檀の根っこの部分、香りがとても濃い白檀です。



白檀の粉末だけではお線香を作ることはできなくて

これを固めるもの、糊剤となるものが必要となります。

タブノキの粉末を糊剤として使用します。

古くから線香に使われてきたもの。

今回はこの二つだけで作ります。




これをしっかりまで合わせ、

そして水で練ると、こんな感じです。




その練ったものを、線香の形に成形します。



スティック状にしたり、三角コーンの形にしたり

いろいろ変えることができます。


なんとなく、イメージできました?

白檀オンリーのシンプル線香、いかがです?

またしても、香りが伝わらないのが残念です。


白檀だけでなく、

さまざまな香原料を調合して作ることもできるわけです。

香道で用いる沈香を調合すると

もっと贅沢なお線香になりますね。

自分で作るのって難しそうにみえますけど、

作ってる時間は、香原料の香りに包まれ

心静かに、無心になれるわけです。

調合の時間はとても心地よい時間になります。

白檀の上品な香りをお楽しみください。


※やってみたい!という方ありましたら、

 体験講座ではありませんが、

 電話でお問合せいただければと思います。

 (こちらは当日受付しておりません。
                   ご了承ください)







  

今月の水引講座は、ひまわりでした。

2023年07月26日
現在は個別での対応となっています、水引講座。

今月はひまわりです。



というか、

ひまわりを作るのが目的ではなく、

あくまでも結びを覚えるためのもの。

今回は変わりリーフ編み、とか

ひっかけあわび結びなど、

呼び方はいろいろありますが、

この結びをひたすら、ひたすら結ぶ回だったわけです。



ひまわりの葉っぱも、花びらも、この結びを活用します。

要領さえつかめれば

話しながらでも結べる結び。

まぁ~基本結びのひとつです。

それをまとめれば、可愛らしいひまわりの出来上がり。

花屋さんで売られてる、小さなひまわりサイズです。


さぁ~来月は何を結びましょうか?

考えないとね。





  

お香製品を手作りする_匂い袋編

2023年07月15日
お香を調合する。

ひとことで云ってもイメージは伝わりにくいものでして。

まぁ~ほぼすべての香製品は調合できるわけです。

手作り香水などを作るのとほぼ同じです。



調合の原料となる天然香原料を混ぜ合わせていく。

何を作るかによって、原料の形状は異なります。


今回は、匂い袋。

お土産物屋さんでも買えますけど、

何が使われてるかわかんないんですよね、これが。

合成香料やフレグランスオイルをしみ込ませたものもありますし。

それを「お香」と勘違いしてる人も多いですね。

本物の香りを知る機会があれば、

知っておいたほうがいいと思います。

それを使い続けることは、また別のことです。




白檀や龍脳、丁子など

作りたい香りに合わせて香原料を選び、調合していきます。





その他にも

かっ香、桂皮、大茴香など、

目指す香りに向かって調合します。

因みに、

白檀はサンダルウッド

丁子はクローブ

桂皮はシナモンの仲間

かっ香はパチュリー。

アロマやハーブ好きだったら

必ず聞いたことある植物の名前。

サンダルウッドもクローブもシナモンも

この国ではむか~し、昔から使ってるわけです。

最近日本に入ってきたものではないんですよね、これが。

意外と知られてないことかもしれません。


これらの香原料、

ただ混ぜればいい香りになるわけでなく、

技も必要になってきますけどね。

(体験では香司がアドバイスしながら進めますよ)



目指す香りが出来上がったら

縮緬や金襴などの袋に詰め、形を整え、紐で結びます。

形よく、ふっくらとなるように

結び目も縦結びにならないようにしましょうね。

(体験では香司が結びます)



なんとなく、イメージできました?

香りが伝わらないのが残念です。

本物のお香原料で調合した匂い袋は

ほのかに、そして長く香りが続くものです。

体験される方々から

「市販のものは、買ってすぐは強い香りなんだけど、

 香りが長続きしないんです」 と伺います。

昔ながらの天然香原料だけで作る匂い袋は

香りの持ちが違います。

かばんやバックに入れてとくと、

ハンカチやティッシュ、名刺など、ほんのり香ってきます。

物に香りを移して、そのほのかな香りを楽しむ。

平安時代から伝わる、お香の使い方。

上品な香りをどうぞお楽しみください。


※匂い袋作り体験は常時受け付けております。

  だいたい15分から20分くらい。
 (本格的講座はこれとは異なります)

  電話いただけるとありがたいです。





















  

お天気からくる身体のトラブルとアロマテラピー

2023年07月14日
ここ最近のお天気の急激な変化。

急に暑くあったり、そうでもなかったり。

昨年までの夏のことを思えば、それほど暑くはないのですが、

24時間の中でこうも目まぐるしく変化するとね、

それについてけない身体は日々アラーム発するわけです。

頭痛やだるさ、やる気のなさ、

年齢にもよるだろうけど、呼吸器、循環器系にも響いてくる。





先日の、精油のプロファイリング講座での出来事。

カタフレイとシナモスマ・フラグランスの精油を

生徒さんに試香していただいてた時のこと。

その日もとても不安定なお天気で、

私も生徒さんも「今日もなんだかだるいよね~」。

講座が進行していく中で、

「あれ? なんだかさっきまでの感じ、なくなりました」

「なんか楽になったよね」

ということで、2人とともニンマリ。


そのこと思い出して、早速精油ブレンド開始です。

2018年のNARDのセミナーで、

気圧変化に関連したブレンドありましたしね。

これを参考に、ブレンドします。



使う精油はカタフレイをはじめ、個性豊かな面々たち。

単品だと癖が強いものばかりですが、

これが絶妙な香りになるわけです。

ボドゥー先生の使い方は「塗布」でしたが、

嗅覚を刺激する方法でも大丈夫ですね。



これをインヘラー(吸入専用の容器)に垂らしまして、

クンクンすればいいわけです。

このインヘラー、とても便利でして、

中にコットンが入っており、そこに直接精油を垂らします。

匂いも拡散しないし、携帯にも便利なのです。


精油カタフレイ、

アロマをやってる人でも初めて聞く人も多いのでは。

NARDでは2010年のセミナーで紹介されてますが、

アドバイザー講座、インストラクター講座で

取り上げられていませんし、

精油自体、他のメーカーでの流通ないかもしれません。

マダガスカル原産の植物の精油です。

アロマテラピーでのセルフケアに

あると役立つ精油だと思います。

あっ、そうそう、

シナモスマ・フラグランスもあると役立つ精油ですよ。










  

夏の暑さに贅沢に、白檀の香りを身にまとう。

2023年07月04日
ここ最近、一気に気温が上昇し、

かおり、というか、ニオイが原因で、最近体調も今一つ。

私が避けるしかないわけで。

何故かというと、インバウンドの方々のフレグランスですね。

とても強烈です。耐えられない時もあるくらい。

ただ、お国柄とかいろんな要因もあるようで、

さりげなく素敵な香りを「纏っている」フランスのご婦人は

本当に素敵な方でした。

「Bonjour!」のその声のトーンも軽やかで、

そういうお暮しの方なのね~って、

香りは見えないから、そこまで見えてしまうわけです。

香りって本当はとても怖いんですよ、じつは。


そういう話しじゃなくて…

弊店のお香調合体験のメニューのなかで、

なぜか人気の塗香調合。

白檀に龍脳、など、天然のお香原料だけで作る塗香は

自分の好みの香りに作りますから

市販品に戻れない方も多いようです。

リピーターの方も多く、ありがたい限りです。
(ほとんど県外の方ですがね)



調合する塗香もとてもいい香りなのですが、

私は白檀オンリーの塗香がとても好きなのです。


白檀は木。サンダルウッドのことです。

もちろんわが国では育ちません。

植生がとても特殊な植物なため、

ワシントン条約の対象植物ではありませんが、

良質なインドの白檀は、

インド政府によって伐採制限・輸出規制が掛けられています。

とても貴重な香木、香原料なのです。

アロマテラピーの世界でも、

15年ほど前は学名:Santalum albumの精油でしたが、

現在はSantalum austrocaledonicumなど、

他の品種のものを代用として使っています。






これは白檀扇子。

お持ちの方は貴重ですから、どうぞ大事になさってください。

本物の扇子は、10万を切ることはありません。
(今はもっとするかも…)

とても高騰してますから、偽物にはくれぐれもご注意を!




これ、老山白檀の輪切り。

こういうものも入手するのが難しいのが現状。




塗香用の白檀はとても細かい微粉末。

これを掌に乗せて、すりすり。

白檀の甘くて涼しげな香りがほんのりと立ち上がります。

(写真左側にあるのは白檀製の塗香入れです)

白檀の性は、冷。

木も触るととてもひんやりしてます。
(講座では触っていただくこともあります)

アロマテラピーではもともと経験則として

白檀の香りが精神神経系に働きかけることは知られていますが、

最近の研究では、白檀の機能性(抗不安、認知機能に対し)が

科学的に明らかになりつつあります。


お香のかおりは高温多湿のわが国の風土に

とても適した香りでもあるわけですし。

お着物のお召しの時の香りとしても最高ですね。


白檀の塗香、もちろん販売しております。
(1gから。簡易容器も販売しています)

ご入用の方はどうぞお問い合わせ下さいませ。
(価格書かなくてすみません)













  

夏、蚊遣香(蚊取り線香)が活躍する季節になりました。

2023年07月02日
暑さが戻ってきました。

それとともに蚊の活動も活発になるわけで。



はい、今年もまた蚊遣香の季節です。

蚊遣香とは、蚊取り線香のこと。

薬機法上、手作りのものの場合、蚊取り線香を名乗れません。


もちろん、除虫菊を使います。

それだけで作るととても煙たいし、

化学物質過敏症も悪化してしまいます。

ですので、

白檀、龍脳、丁子など、

昔ながらの天然香原料も調合します。



くるくるっと渦巻き型にし、乾燥させます。

手作りですから、ちょっといびつですが。

それがまた手作りの醍醐味でもあるわけで。



市販の蚊取り線香と比べると

一枚当たりの単価が安いわけではないですが、

これが一番いいわけです。



もちろん精油で対策もでききますが、

こちらは忌避作用。

蚊を殺す作用はありません。

精油の可能性は、刺された後のケアができること。

どんな精油を選択し、どのように使うかは、

きちんと理解してる人からしっかり学んでくださいね。


蚊遣香作りの過去記事は下記をどうぞ
   https://hiyori.hida-ch.com/e1076994.html

   https://hiyori.hida-ch.com/e1189791.html